役員の任期を決める時の注意点
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資本金の額、決算日、会社の種類、定款、取締役について……
会社を設立するにあたっては、決めなければならないことがたくさんあります。
例えば、役員の任期もその1つです。
株式会社には最低1名以上の取締役が必要です。
この取締役の任期は会社法によって、公開会社で最長2年、非公開会社では最長10年と定められています。
設立される多くの会社が非公開会社ですので1~10年という幅広い期間の中から役員の任期を選択することになります。
さて、今回は、10年間という選択肢から役員の任期を決める際の注意点についてお話します。
極端な比較になりますが、役員の任期を1年とした場合と10年とした場合の大きな違いは次の2点にあります。
1.役員の変更登記の手間と費用
2.経営における目標達成までの期間
1について、役員は任期が終わるごとに株主総会で選任する必要があります。
また、役員の氏名は商業登記簿に登記すべき事項です。
任期が終わるごとに役員は退任し再び選任され就任することになるので、その度に登記の手間と費用がかかります。
この点でいえば登記の頻度を少なくするために役員の任期は長いほうが良いということになります。
ただし、登記を忘れた場合は、100万円以下の過料を科されることもあるので注意が必要です。
役員は任期の中で成果を残すことが求められます。
そこで、2.経営における目標達成までの期間が任期によって異なることになります。
役員には任期の中で成果を残すことが求められます。
そのため、任期が短いほど短期的な経営計画を重視することになり、長いほど長期的な視点での経営計画を建てることができるようになります。
会社は破綻しない限り半永久的に続いていくものですから、経営計画は長期的な視点をもって作成することが望ましいと言えるでしょう。
しかし、役員が複数いる場合には、長期的な計画の途中で方向性が分離してしまうということが起こりえます。
実際に、共同経営で設立したが、途中で片方が退任することになった事例も多くあります。
このような場合で、正当な理由なく任期の途中で解任された役員は会社に対して残りの任期に係る役員報酬について損害賠償請求をする権利があります。
役員の任期を長くするときには、長期的な視点での経営ができるというメリットと正当な理由なく任期の途中で解任した場合のリスクを考慮する必要があります。
ここまでの話をまとめましょう。
役員の任期を長く(10年に近く)設定することによって、短く(1年に近く)した場合と比べると、
メリット1:登記の手間と費用を節約できる
メリット2:長期的な視点での経営が可能になる
デメリット1:登記を忘れると過料を科される場合がある
デメリット2:正当な理由なく任期の途中で解任するとリスクがある
ということになります。
以上のように、長期短期それぞれの注意点に留意し、設立される会社の方針に合わせて選択することが必要です。
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