社宅扱いの住居で社員とその友人がルームシェア!税務面で気を付けたいポイントと対策
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今回は、スタートアップ企業や会計に詳しくない方々に向けて、「社員の住居が社宅扱いとなる場合に気を付けるポイント」について解説します。特に、社員とその友人が同じ住居をルームシェアするケースについて、実例を交えながらご紹介します。
1. 社宅制度の基本と税務上の取り扱い
まず、社員の住居を会社が提供する場合、「社宅制度」として扱われることがあります。これは、福利厚生の一つとして社員の住居費用を補助したり、社宅を貸与したりする制度です。
2. ルームシェアの場合のポイント
しかし、社員が利用している住居に社員の友人も一緒に住んでいるケースでは、注意が必要です。特に、「社員の住居を社宅扱いにする」には一定の条件があります。
3. 気を付けるべきポイント
(1) 社員のみが居住していることが基本
社宅扱いとするためには、「社員とその家族だけが居住していること」が原則です。友人などの第三者が同居している場合、その家賃補助や住居の無償貸与は福利厚生の対象にはなりません。
例:ミネルバ太郎さんが会社から社宅を借りているが、その住居に友人のミルキー吾郎さんも一緒に住んでいる場合、住居の一部は社員の私的使用ではなく、友人のために使われているとみなされ、税務上の「社宅」としての扱いは難しくなります。
(2) 住居の用途と居住者の範囲の正確な管理
社宅として認定されるには、住居の用途や居住者の範囲を明確にし、適切に管理する必要があります。社員本人とその家族だけが住んでいる状態を維持しましょう。
4. 税務上の注意点と対策法
(1) 住居の利用状況をきちんと記録する
社員とその親族だけが居住しているか、管理表や賃貸契約の内容をしっかり記録しておくことが重要です。
(2) 住居の無償貸与・家賃補助は給与課税される
社宅制度では、社員から税法上の「賃料相当額」以上の家賃徴収が必須です。無償貸与や家賃補助は、その額が社員の給与として課税されます。社員の友人など第三者が同居する場合、その分の家賃補助は行わず、社員から徴収するなどして、税務上の問題が生じないよう注意が必要です。
(3) 複合用途の住居の場合は、分割や区分を検討
もし住居内で個人用と業務用を分けることが可能なら、区分して管理し、福利厚生の対象範囲を明らかにします。
5. 実際の顧問先の事例
いくつかの顧問先では、社員が社宅を利用しているものの、友人とルームシェアをしているケースもありました。これらの企業では、次のような対策を取っています。
こうした取り組みにより、税務署からの指摘や誤解を未然に防ぐことができました。
6. まとめ
社員の住居を社宅として扱う際は、「誰が住んでいるのか」「その範囲は適正か」「住居の契約内容や管理体制はどうなっているのか」をしっかり把握し、記録しておくことが大切です。社員とその友人がルームシェアをしているケースでは、上記のポイントを守ることで、税務リスクを回避できます。
もし、あなたの会社でも社員の住居について疑問や不安がある場合は、早めに専門家に相談して対策を講じてください。福利厚生と税務リスクを両立させ、健全な経営基盤を築きましょう。
ご質問やご相談はお気軽に当事務所までどうぞ。社員の福利厚生をしっかりと守るために、私たちがお手伝いいたします。