合同会社設立のメリットやデメリットについて整理してみました!設立数は急増中 | 会社設立・株式会社設立・起業なら東京スマイル

合同会社設立のメリットやデメリットについて整理してみました!設立数は急増中

税理士
大賀

こんにちは、会社設立東京Smileを運営する、品川区五反田のミネルバ税理士法人です。グループ会社には上田公認会計士事務所と株式会社ミネルバコンサルティングがあります。

最近よく相談に乗るのが、株式会社と合同会社のどちらが良いのか?ということです。そこで改めて合同会社設立のメリットを整理してみました。

合同会社の4つのメリット

合同会社設立のメリットは大きく分けて4つあります。「会社設立費用が安い」「設立までの期間が短い」「会社運営のコストが少なくて済む」「利益配分の設定が柔軟」の4つです。

(1)会社設立費用が安い

合同会社の設立に必用な費用は「登録免許税6万円」です。株式会社の登録免許税が15万円なのと比べると大幅に安く手続きができます。

合同会社の登録免許税

合同会社/資本金の額/1,000分の7
(6万円に満たないときは、申請件数1件につき6万円)

引用元:国税庁「登録免許税の税額表」

このように基本的には登録免許税6万円です。しかし資本金の0.7%が6万円を超えるときには、その金額が合同会社の登録免許税になるので要注意です。

たとえば合同会社で資本金を990万円に設定したら、0.7%をかけると6万9,300円になりまして、この金額が必要な登録免許税となるわけです。

他にも株式会社設立ですと、公証役場で定款認証の手続をしないといけません。定款認証手数料が5万1,000円ぐらい必要なのですが、合同会社の場合は定款認証をする必要がないので、この5万1,000円がまるまるかかりません。

もし自分の力で株式会社設立をする際は、紙の定款を認証してもらう時には印紙税を4万円払わないといけません。株式会社設立でかかる費用を合計すると最大で24万1,000円ほど必要です。

それに対して合同会社設立の定款認証が必要ないので、5万1,000円は必要ありません。

自分で対応する場合、、登録免許税の6万円だけで合同会社設立ができると考えて大丈夫です。

(2)設立までの期間が短い

合同会社の設立は、公証役場で定款の認証が必用ありません。

株式会社であれば、設立書類を作成→公証役場で定款認証→登記申請という流れを踏むのですが、合同会社設立の場合は、設立書類の作成→登記申請ということで公証役場で定款認証する必要がないのです。

株式会社設立と比べ1~2日間程度の短縮になるようなイメージです。

手間が減る分、一日でも早く会社設立しないといけない方にとっては、合同会社にはメリットがあると思います。

(3)会社運営のコストが少なくて済む

株式会社と比べ、合同会社の方が運営にかかるコストが少なくて済むと良く言われています。

たとえば株式会社の場合は決算を行った場合は、基本的に官報による公告をしなければいけませんが、合同会社の場合にはそれが必用ありません。

また、株式会社の場合には取締役の任期があります。取締役が変わらないとしても任期ごとに再任登記を法務局へ行わないといけません。これには変更登記代だけで、1万円が発生します。もし司法書士の先生に手続きを代行してもらえば、その分の手数料が必要です。

合同会社には役員の任期は存在しないので、煩わしい手続や登記にかかる費用は発生しません。

低コストで合同会社運営できるのが、メリットの一つになります。

(4)利益の配分の設定や業務に関する決めごとの設定が柔軟

株式会社は、利益が出たときの配当や議決権については株主が所有する株式の数によって変わります。

合同会社の場合には、株式の概念は無いので、定款の中で自由に利益の配分について、誰にどれぐらい分けるのかを決めることができるのです。

たとえば出資できる金額は少ないけれど、業務執行に関することについて大きな影響力を持たせたい人がいるとします。

株式会社の場合は、保有する株式の数(=出資金額)を調整しないと対応できませんが、合同会社の場合は、出資金額に関係なく定款でルールを決めることが可能です。

合同会社設立のデメリット

合同会社にはもちろんデメリットもあります。ネガティブな部分もしっかり認識した上で合同会社設立へ着手した方が良いでしょう。

1、株式会社と比べて認知度が低い

最近は多くなってきたものの、まだまだ合同会社への認知度は低いです。「合同会社?何それ?」とか「代表社員?従業員の代表なの?」みたいに不安視されることを避けて株式会社を選ぶ経営者もまだ存在します。

2、代表取締役と名乗ることができない

合同会社の代表は代表社員です。会社設立する人の中には、せっかく会社を作ったからには「代表取締役」という肩書きに憧れを持っている人がいます。

そのため代表取締役を名乗れないというのは、合同会社のデメリットの一つになるかもしれません。

3、出資者と経営者を分けることができない

株式会社は株主と取締役は別々に分離した概念です。合同会社の場合は、経営する立場である役員になりたかったら出資をしなければいけません。

そのため、出資はしないけど役員にだけなりたいという方がいる場合は、合同会社で実現することは不可能なので株式会社で設立するしかありません。

合同会社設立を選んだ人達の具体的事例

今まで会社設立のお手伝いをしてきた中で、合同会社を選んだ起業家の事例を紹介します。具体例があった方がイメージしやすいかと思います。

・とにかく設立コストを下げたいので合同会社設立

会社設立の背景は節税や取引先にお願いされたりと様々なのですが、とにかくコストは抑えて設立登記の手続きをしたい!という方は合同会社を選びます。

株式会社設立と比べて合同会社の方が圧倒的に格安なので、当たり前といえば当たり前ですよね。

・取引先や業界的に知名度とか関係ないから合同会社設立

株式会社と比較すると合同会社はまだまだ世間での認知度は低いです。新規営業を主体にする会社や、取引先との信頼関係が重要なビジネスをする人は、合同会社だと相手に不安を与えると思って株式会社にすることがあります。

すでに取引先も固定で、たとえ営業をするとしても商習慣的に合同会社でも全く関係ないという方は合同会社を選ぶことが多い気がします。

・事業が軌道に乗るかわからないから合同会社でスタート

まだ事業が軌道に乗るかどうかわからないから、合同会社でスタートしたい!という経営者もいます。売上が上がるか微妙な時は個人事業主でスタートすることをおススメしているのですが、どうしても法人にしたいというケースですね。

取引先からは法人でないとダメと言われているとか、許認可の関係で法人でないと始められないような場合です。

・出資と会社への影響力を自由に調整したいから合同会社設立

合同会社は株主という概念もないので、株主総会ではなく社員同士の話し合いで会社の大事なことが決まっていきます。

株式会社であれば、株主の持っている株式の数によって議決権が変わります。言い換えれば出資比率によって会社へ与える影響力の強さが変わるわけです。

合同会社の場合は、ルールを定款によって決めます。出資額が少なくても、出資額が多い人よりも影響力を強めることができるのです。会社の状況によっては、こうした柔軟な組織体制の方がメリットがあるケースは合同会社を選ぶことになります。

合同会社設立に関するQ&A

最後に合同会社設立について現場で良く聞かれる質問をまとめてみました。

1、合同会社と株式会社は税金のルールは違うんですか?

合同会社も株式会社も税金に関するルールは同じです。株式会社だから法人税が高くなるとか、合同会社だから消費税がお得になるなんてことはありません。

2、合同会社設立をした後に株式会社に変更はできる?

合同会社設立をした後に株式会社への組織変更は可能です。その時は、改めて組織変更をする登記の手続きを法務局にしなければいけません。

お金もかかるので、法務局に相談しながら進めるか、会社設立の専門家である司法書士の先生に相談しながら進めるのが良いでしょう。

私たちの取引先でも合同会社から株式会社へ変更した方がいらっしゃいますが、変更後の各種名義変更が大変そうでした。銀行口座や取引先、使っているサービスなど全部の名義を株式会社へ変更しないといけません。

3、合同会社の代表社員だけど代表取締役と名乗って大丈夫?

肩書きに対して罰則を与える法律はないので、違反ではないと思いますが、会社法の規定では株式会社という組織の代表を代表取締役として、合同会社の代表を代表社員とする内容があります。

つまり肩書きとして代表取締役と名乗るであれば、一般的にその方の会社は株式会社であるといいう共通認識になるわけです。それが合同会社だったとなると、相手に対して無駄に不安を与えることになりますのでおすすめはしていません。

代表社員という肩書きを使いたくない場合は、代表とだけ名刺に書く方などもいますので、参考にしてみて下さい。

全国の合同会社設立数の推移は?法務省の統計によると年々増えてきている?

法務省の発表している登記統計の数字になります。11年間の合同会社設立数の推移を並べているのですが、この11年で6倍近くにもなっています。

平成30年 2万9,243件
平成29年 2万7,270件
平成28年 2万3,787件
平成27年 2万2,223件
平成26年 1万9,808件
平成25年 1万4,581件
平成24年 1万0,889件
平成23年 9,130件
平成22年 7,153件
平成21年 5,771件
平成20年 5,413件

合同会社が世の中に認知されてきたことや、合同会社のメリットが理解されてきたことが大きな要因だと思います。また世の中的には副業やパラレルキャリアをキーワードにフリーランスの方なども増えていくことが見込まれます。

最初は個人事業主としてスタートされた方も状況によって法人成りの必要が出て来るかもしれません。そんなときに合同会社設立が選択されやすくなっているのかもしれません。

実際に今回紹介したように、合同会社の柔軟な会社運営などにメリットを感じて合同会社にすることが多いです。アップルジャパンやアマゾンなども日本法人は合同会社です。

合同会社の設立でお悩みならまずは無料相談にて対応します。

株式会社と合同会社では、税金の取り扱いに違いはありません。

どちらにしようか迷った時には、ここで紹介した会社設立費用の違いや、会社運営のしやすさなどを十分に検討して決めると良いと思います。

また、自分に照らし合わせて合同会社にすることによるデメリットなんかも整理しておくと良いと思います。少しでも心配な方は、ぜひ無料相談にお越しください。

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